痛々しくて痛い
そこでずっと会話に耳を傾けていた陣内がやんわりと言葉を挟んだ。


「相手に興味を持ってもらえないと情報を取り上げてもらえないんだぜ?しかもそれがいつになるかは分からない。絶対に消費者に伝えたくて、なおかつこの時期を逃す訳にはいかない、っていう情報を周知したい場合も当然ある訳で、その場面ではやっぱ宣伝ツールを使わないと」

「あ、そっか」


吉田はハタと気付いたようにそう呟き、続けた。


「私の勤務先、総勢50人くらいの会計事務所だもん。宣伝部だの広報部だのなんて存在しないし、全然知らなかったよ」

「ううん。社内にそういう部署があっても、詳しい業務内容まではぶっちゃけ良く分かんないと思うよ。ズバリ、私がそうだもん」


吉田の言葉に星野が反応した。


「今の話を聞いて、『ああ、それぞれそういう存在意義、役割分担なんだ』って、後れ馳せながら認識したくらいだし。そういや新入社員の頃、広報課の人に、社内報に載せる座談会に参加してくれってオファーされたよな~なんてのも、ついでに思い出したりして」

「……座談会って、お洒落なレストランとかでやったりするの?」

「え?まさか。会社の会議室だよー。身内に仕事に関する話をしてもらうだけなんだから、そんなお得意様への接待みたいな事する訳ないじゃん」


吉田の問いかけに星野は苦笑いを浮かべながら返答した。
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