痛々しくて痛い
もちろん中には、手芸に興味などなく、お子様の入園入学グッズの作成や、学校の授業等で材料が必要になり、渋々来店する方もいらっしゃるけれど。


そういう方に、自分ができる範囲で色々とアドバイスをして差し上げた後、とても感謝して下さったりすると『物作りの魅力をお伝えする事ができた!』と、心の底から喜びが込み上げて来た。


店員冥利に尽きるというか、こんなやりがいのある仕事に関われるなんて、私のあの時の進路選択は間違いではなかったのだと、しみじみと実感する事ができた。


そんなこんなで特別壁にぶち当たる事もなく、スムーズに仕事を覚えられて、先輩方はもちろん常連のお客様とも良好な関係を築く事ができ、毎日楽しく勤務させていただいていた。


そして今年に入り『入社3年目を迎える事だし、もしかしたらそろそろ異動の話が出るかもしれない』と内心ドキドキしつつ、『でも、どの店舗に移ろうと、今までと同じようにやって行けばきっと大丈夫だよね』なんて思っていた、その矢先。


……今回のこの、想定外な辞令を受ける事になったのだった。


真々田屋の正社員は基本、一般スタッフを数ヶ月から数年間経験した後店長補佐となり、その後店長、近隣の店舗をまとめるエリア長、県内全域を統括する総エリア長と徐々にステップアップして行く決まりである。
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