痛々しくて痛い
「そ、そうですかね?」


思わず『デヘ…』と気持ち悪い声を発しながら照れ笑いをしていると、麻宮君はプッと盛大に吹き出した。


「なんか面白いよな、綿貫って。つーかさ、何でさっきから敬語使ってんの?」

「え?あ…」

「同級生なんだからさ、そんなかしこまる事ないじゃん。それこそ『タメ口』で良くね?」

「あ、えっと。は、はい、そうで……だね」


着地点で何とか頑張ったけれど、しどろもどろで片言で、かなり珍妙な日本語を披露してしまった。


来日して数ヶ月という外人さんでさえ、もっと上手に文章を組み立てられるんじゃなかろうかと思う。


オタオタしている私がよほどおかしかったのか、麻宮君はさらに愉快そうに笑い声を立てた。


「…っと、いけね。そろそろ中に入った方が良いか?」


しかし、大分人影がまばらになった周囲の状況に気付いたようで、麻宮君はそう言葉を発した。


「とにかく、これから同じ会社で働く仲間だ。4月からよろしくな」

「こ、こちらこそ」


言いながら、2人で自然と歩き出し、会場内に入ると、それぞれ割り当てられている席へと向かった。


丸テーブルに男女混合で6人ずつ座るようになっていて、テーブルによって異なるけれど、私のグループに関して言えば男性3人女性3人という構成だった。
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