痛々しくて痛い
二人とも年齢の割に落ち着いていて、雰囲気がとても穏やかで、私でも比較的リラックスしてお話する事ができた。


その延長で同席の男性陣とも和やかにコミュニケーションを取る事ができたし。


二人が居たから懇親会を乗りきれたようなもので、内心とても感謝していたのだ。


だから帰宅時まで声をかけていただいて、単純に嬉しかった。


「よし、決まりっ」

「じゃあさっそく行きましょうか。次の便っていつ頃来るかなー?」


そんな会話を交わしながら歩き出した二人に続き、会場出入口まで来た所で、ふと、麻宮君の存在を思い出し、振り返った。


未だ自分の席に腰掛け、同じテーブルの人と、その周りに座っていたと思われる人達に取り囲まれて、ケータイ片手に何やらワイワイと語らっていた。


きっと連絡先の交換をする事になったのだろう。


もちろん、そういった集まりでは珍しくもなんともない光景だろうけど、その輪の中にいる人々の動きが、中心に鎮座する麻宮君の番号やアドレスをゲットするべく、我先にと群がっているように見えてしまった。


ちょっと大袈裟な表現になってしまったけれど、とにかく『この人ともっと親しい間柄になりたい』と切に願っているのであろう事はヒシヒシと伝わって来た。


ほんの数時間触れあっただけでも、相手の心をわしづかみにしてしまう魅力の持ち主。
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