痛々しくて痛い
おそらく、トータル20センチ近くは伸びていたと思うんだけど、毎日目にしているとなかなかその変化には気付かないもので。


写真で見比べてようやく、彼の華麗なる変貌ぶりを認識したのだった。


人生の中で、そういうドラマチックなエピソードがちょいちょい入り込む所が、やっぱりスター体質なんだよな、麻宮君て。などとしみじみと感じ入ってしまったりして。


久しぶりに見返してみて、改めてすごい変身ぶりだな~と思った。


…渡辺さんもこれを見たら、きっとすっごくびっくりするだろうな。


そう考えたら何だかとても楽しくなってきて、私は「ウフフ」と笑いを漏らしながら、アルバムを閉じ、ケースに納めた。


翌日、アルバム分の重量が増した鞄を握りしめ、普段よりも早い電車に揺られて会社を目指した。


なるべく、あまり人がいない時に渡辺さんに話しかけたいな、と思って…。


彼女がいつも私よりも早く出社している事は知っていたので、その時間帯を狙ったのだ。


会社に到着し、会議室へと歩を進め、自分の席までたどり着く。


ひとまず椅子に腰かけ、鞄を足元に置き、机の下の棚に置きっぱなしにしてある筆記用具や研修用マニュアルなんかを机上に出していると、渡辺さんが山本さん、高橋さんと共に姿を現した。


私は慌てて立ち上がり、3人に近付くと、まずは挨拶を繰り出した。


「お、おはようございます」
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