痛々しくて痛い
大庭さんの注釈に、麻宮君はギョッとしながら問い掛けた。


「全然簡単そうじゃないんですけど…。ホームページだのテープおこしだの、未知の世界もいいとこですよ」

「いやいや、それらは初心者でも比較的とっかかりやすい業務だから」

「そうそう。別に、自分で一からシステム構築する訳じゃなくて、すでに出来上がってるホームページの中身をちょろっと修正するだけだし、テープ起こしの方も、専用のソフトがあるんだから」

「店舗で勤務してる時、事務作業で普通にパソコン使ってただろ?ちょっとでも機械慣れしてる人ならすんなり覚えられるよ」

「そうですか?」

「もちろん、俺達がきっちりフォローするからさ。とにかくやってみよう」


そこで染谷さんはちょっと自嘲気味に笑った。


「って、偉そうに言ってる俺こそが、実は一番テンパりまくりで手探り状態にも程があるんだけどな」

「え?課長が?」

「そ、そんな、まさか…」

「ホントホント。だってさ、今までは他の業務と掛け持ちでやってたんだぜ?つまり、それでも成り立ってしまう程度の仕事量だったって訳で、『経験者』なんて名乗れる程のスキルなんか持ち合わせちゃいないんだから。しかもちょっと手間取る部分は外注で、担当者に丸投げ状態だったし」


麻宮君と、思わず発した私の突っ込みに対し、染谷さんは苦笑いを浮かべたまま言葉を返した。
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