痛々しくて痛い
「でも…。絹田さんが元勤めていた会社って『太陽堂』なんですよね?」
麻宮君が控え目な口調で問い掛けた。
「その業界では最大手だし、そこを辞めるなんて、かなり勇気がいったんじゃないですか?」
「大手だからこそ、その中で頭角を表すのは至難の技なんだよね」
絹田さんは淡々と答える。
「もちろん、入った当初は夢と希望に満ち溢れてたりしたけどさ。でも、月日が経つにつれて『何かが違う』感がどんどん膨れ上がって来て、反比例するようにやる気だの情熱だのが萎んで行ってさ。それがピークに達しようとしていた時に転職の話をいただいて」
「それで迷うことなく誘いに乗ったってワケか」
「そうです。クライアントから仕事を依頼される側ではなく、自分が社員側になって自社の広告を作れる立場になれれば、今より断然、バリバリ自由な発想ができるハズだな、と」
途中言葉を挟んで来た染谷さんに視線の先を変えて絹田さんは続けた。
「真々田屋が超優良企業だっていうのは調べればすぐに分かりましたから、転職先として申し分無かったし。しかも『新設の宣伝、広報課』ってのが最大の魅力だなと思って。そこに集った仲間達と、一から好きな色に染め上げて行けるっていうか」
「わざわざ声をかけてもらえるなんて、やっぱりすごい事じゃないですかー」
すかさず大庭さんが会話に入った。
「オレなんか、自分から猛アピールしたんですよ」
麻宮君が控え目な口調で問い掛けた。
「その業界では最大手だし、そこを辞めるなんて、かなり勇気がいったんじゃないですか?」
「大手だからこそ、その中で頭角を表すのは至難の技なんだよね」
絹田さんは淡々と答える。
「もちろん、入った当初は夢と希望に満ち溢れてたりしたけどさ。でも、月日が経つにつれて『何かが違う』感がどんどん膨れ上がって来て、反比例するようにやる気だの情熱だのが萎んで行ってさ。それがピークに達しようとしていた時に転職の話をいただいて」
「それで迷うことなく誘いに乗ったってワケか」
「そうです。クライアントから仕事を依頼される側ではなく、自分が社員側になって自社の広告を作れる立場になれれば、今より断然、バリバリ自由な発想ができるハズだな、と」
途中言葉を挟んで来た染谷さんに視線の先を変えて絹田さんは続けた。
「真々田屋が超優良企業だっていうのは調べればすぐに分かりましたから、転職先として申し分無かったし。しかも『新設の宣伝、広報課』ってのが最大の魅力だなと思って。そこに集った仲間達と、一から好きな色に染め上げて行けるっていうか」
「わざわざ声をかけてもらえるなんて、やっぱりすごい事じゃないですかー」
すかさず大庭さんが会話に入った。
「オレなんか、自分から猛アピールしたんですよ」