痛々しくて痛い
「じゃあ、とりあえずここまでにしておくか」


そこで染谷さんが言葉を挟んだ。


「もうすぐ昼メシだし。午後、麻宮君にはこのままテープ起こしにとりかかってもらって…」


次いで、私に視線を向けながら彼は続ける。


「綿貫さんには別にやってもらいたい事があるから。昼休みが終わったら説明する」

「あ、はい。よろしくお願いいたします」

「ここで昼メシを食べる場合、自分の席ですか?それともソファーで…?」

「自分の席で良いよ。その方が落ち着くだろ?もちろん、書類はきちんと片付けて、PCにも気を配ってもらう事が大前提だけど」


質問者の麻宮君に再び視線を向けると、染谷さんは大庭さんの机の上を指差しながら言葉を繋いだ。


「そこにウェットティッシュ用意してあるから。食事の前後に台拭き代わりに使って」

「分かりました」

「それじゃ、ロッカールームに案内しちゃおうか」


言いながら、絹田さんがドアに向かって歩き出した。


「荷物置いたらそのまま昼休憩に入ろう。私が綿貫さんを案内するから、颯、あんた麻宮君の方よろしく」

「了解でーす」

「じゃ、行こうか綿貫さん」

「は、はい」


私は慌ててソファーに近付くと、鞄とコートを手に取り、すでにドアを開けて待っていて下さった絹田さんのもとへと駆け寄った。


部屋を出て、廊下を奥へと進み、すぐに立ち止まる。
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