あなたと月を見られたら。
それは龍聖の双子のかたわれ、麻生優聖が私に言った言葉と全く同じ。本当にDNAの持つ力って偉大だなぁ。ここまで思考回路が似通うって恐ろしいよ。
双子の神秘、DNAの恐怖を感じながら、ガーリックシュリンプの殻を必死に剥き剥きしていると
「なんかさ?」
「うん?」
「美月の指、美味しそうだね。」
龍聖はニヤっと意地悪く笑って私の右手を引き寄せると、ガーリックオイルのたっぷりついた私の指をパクっと食べた。
「う、うぎゃあ!
何てことすんのよ!!」
ヌメッとした柔らかな舌の感触に驚いて、慌てて指を引き抜くと
「ガーリックも効いてるし塩加減もバッチリ。我ながら美味くできてるな。美月もそう思うでしょ?」
龍聖はニヤニヤ笑いながら私を見つめる。
コイツ…!!
絶対、私の反応を見て楽しんでる!!
焦る私に攻める龍聖。どこまでもドSな彼の仕打ちにタジタジになってしまう、情けない私。
「もうっ!やめてよ!」
必死に抗議の声を上げると
「しょうがないじゃん。美月のその反応が見たいんだから。」
龍聖はオイルまみれになった私の右手に指を絡める。
当たり前だけど繋いだ龍聖の指先にも私の指についたオイルが移って、龍聖の指が間接照明に照らされてテラテラと光る。
「ねぇ、龍聖。」
「うん?」
「手、汚れるよ??」
親切からきた助言は
「そんなの、こうやって舐めればいいから大丈夫。」
「……っ!!」
動物的な彼の返しにヤられて、効力はゼロになる。