あなたと月を見られたら。
視線はそのままに、ゆっくりとゆっくりと私の唇から唇を離していく龍聖。離れるごとにお互いの唇についたオイルと唾液が照明に当たってグロスをつけているようにキラキラと妖しく光る。
「ヤバい。」
「…え??」
「美月を食べたくなってきた。」
「えぇ?!」
私にニッコリ微笑みかけると、龍聖は近くにあったナプキンでサッと手を拭き
「そう思ったら善は急げ、だよね。」
「ちょ、ちょっと!龍聖!!」
龍聖は私をいわゆるお姫様抱っこってヤツで抱き上げる。そして着いた先は小さな寝室。そこはセミシングルのベッドが一つだけポンと置かれた、とてもシンプルな部屋だった。
「ダメだって!!ロコモコもまだ食べてないし、コブサラダも…!!」
なんとかここから逃れたくて。簡単に流される女にだけはなりたくなくて必死の抵抗を見せると、龍聖は私をベッドに横たえて
「エサは後でね?お姫様。」
天使の顔して龍聖はニッコリ微笑む。そして私を押し倒し、太ももに指を這わせる。
「まずは性欲の腹ごしらえさせてよ。」
危険な目をして、完全にオスのスイッチの入った龍聖は強引で、抗うことができない。その図はサバンナの草原でライオンに捕らえられたシマウマさんの図。こうなった時の龍聖は完全に肉食獣だ。