あなたと月を見られたら。
やばい!
そう思った時には、もう遅い。龍聖のくれる甘くて切ない、強い、刺激的な快感に身がよじれて、私の口からは甘ったるい喘ぎ声がこぼれ出す。
スカートをたくし上げてチロチロと舌先で遊ぶように舐める龍聖。舌先で、そして舌全体で、まるで別の生き物のように私の大事なところを這う愛撫に我慢ができなくて。そんな痴態を晒している自分が恥ずかしくて顔を背けるけれど
「ダメ。ちゃんとこっち見て?」
龍聖はそれを許してくれない。
恥ずかしくて顔をフルフルと左右に振らせるけれど、また同じセリフを危険な目をして吐き始める。
無理……!
ただでさえ恥ずかしいのに。
こんな風に流されてる自分を情けなく感じてるのに、龍聖を見るなんて絶対に無理だ。
この行為を肯定してしまいそうで、自分に負けてしまいそうで、彼の目を正視した瞬間に全てのタガが外れてしまいそうで怖くなる。
最後の理性を振り絞って
「や、、、だ、、っ!」
彼の甘い誘いを拒否すると
「残念。カワイイから見たいのに。」
オオカミさんは私を攻めていた手を止めて、思いもしない甘い言葉を口にする。
……え??
どういう意味があったのかよくわからなくて。
一瞬、素に戻ってしまって、何も考えずに龍聖に視線を向けるとヤツは待ち構えていたようにニヤッと笑って
「美月。そのまま逸らしちゃダメだよ?」
「や、やぁっ!!」
彼は私の蜜壺に中指を滑り込ませ、さらに攻めの手を強くする。
卑怯者…!!!
勝ち誇った目をして私を見下ろす龍聖に怒りの言葉を抗議の声を上げたいけれど、激しい快感に頭の中を支配されて何も言うことができない。
間接照明の温かい光に照らされた室内に溢れるのは、荒い息遣いと無意識にこぼれた切なく高い、喘ぎ声。そして淫らな水音が、淫靡な響きを立てて部屋の中にこだまする。
私の羞恥心を煽るように、わざと水音を出して指を出し入れする彼が憎らしい。恥ずかしさに耐えきれなくて、彼から目を反らしたいのに、それを許してくれない彼が憎らしい。
激しく攻められている中、快感に身を捩らせて、切なさに苦しんで、一瞬だけ視線が絡むと
「カワイイ。俺で感じてる美月が最高にカワイイ。」
そう微笑む彼が愛おしくて憎らしい。