あなたと月を見られたら。
まるで子どものようにあどけない顔して笑う龍聖の髪に指を絡ませ
「あのさ?自分がイヤだと思ってることにチャレンジするって、何にせよ勇気がいるコトじゃない。だから…今日、自分の殻を頑張って破った龍聖は偉かったと思うよ??えらい、えらい。頑張った。」
そう言って彼の頭をヨシヨシすると、龍聖は一瞬目を大きく見開いた後、ブハハ!と笑って
「お前はオカンか!」
とゲラゲラ笑いだす。
え?!ええ?!
なんでそんなに笑うの?
私、真面目に真剣だったんですけど!!
お腹を抱えてゲラゲラ笑う龍聖にたじろいで一人で勝手に混乱してると、龍聖はこちらにゴロンと横向きになって私の手をギュウっと掴む。
そして1人混乱中の私の手の甲にリップ音を鳴らして口付けすると
「まぁ、、、そんなところが好きなんだけどね。」
そう言って意地悪く微笑む。
「ちょ、ちょっと!!なにすんのよ!」
我に帰った私が抗議の声を上げると
「美月のそういう無駄にお人好しなところ、ムカつくけど救われる。」
龍聖はカンに触る一言を吐き出し始める。
無駄にお人好しってどういうこと?!それって褒めてんの?!けなしてんの?!それとも…バカにしてんの?!
イライラした目で龍聖のことをジトーっと見つめていると
「美月は変化に鈍感だよね。」
龍聖はまたもやムカつく一言を吐き出した。