あなたと月を見られたら。


玲子先生の得意とするジャンルはミステリー。意外性のあるトリックと巧みな心理描写、それに魅力的なキャラクターが本の中を暴れ回って読者をぐいぐい引き込んで離さない。白石玲子は今をときめく女流ミステリー作家といっても過言ではないと思う。


そんな玲子先生は……時折思いついたように書いてくれる恋愛小説にも、とても定評がある。リアリティ溢れる恋にハーレクインさながらのラブロマンス。先生の描く恋は等身大で、だけど意外性もあって魅力的。


先生の書く恋愛小説かぁ…
うん、それはとっても楽しみかも!


「いいですね!玲子先生の恋愛小説大好きです!」


興奮しながらそう伝えると


「ホント?じゃあ張り切って書こうかしら。このところミステリーが続いてたから、そろそろ恋愛モノ書きたくてウズウズしてたの」


玲子先生も嬉しそうにそう答える。




次回作は恋愛モノ。そして主人公の設定や、なんとなくのあらすじを話し合った後


「じゃあ、またネタが固まったら連絡するわね?」

「はい!ご連絡おまちしています!!」


そう言って玲子先生と私は龍聖のカフェを後にした。



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