あなたと月を見られたら。
かわいい。
素敵だな、この向日葵。
小さくて儚げな、でも力強さに満ちた小さなヒマワリ。シックな龍聖のお店にとてもマッチした素敵なヒマワリの花に心奪われて、魅入っていると
「美月って本当変わってるよね。」
ワイングラスとワインのボトルを抱えた龍聖に後ろから声をかけられた。
「へっ??」
意味がわからなくて振り返ると
「どんなに高価なプレゼントより、こういう小さなモノに心奪われるんだもんな。意味がわからなくて混乱するよ。」
龍聖はクスクス笑いながら、テーブルをセッティングしていく。
変…なのかなぁ…、、。
「だって、同じモノはないじゃない。」
「はい?」
「作られたモノならお金を出せば同じモノを同じだけ買えるでしょ?だけど、自然のモノはそうはいかないもの。」
愛情かけて手間暇かけて育てた花は一輪だって同じじゃない。同じ花でも一輪一輪表情は全部違っていて、その姿に私は魅了されてしまう。それはきっとお金じゃ買えない、かけがえのないもの。
私はね?どんなに高価なものよりも、そっちのほうがずっとずっと尊い気がする。
「自然の美しさはお金じゃ買えないでしょ?だから心奪われる。高価なプレゼントも嬉しいけれど…嬉しいのはモノじゃなくて気持ちだよ。」
小さな可愛いヒマワリを指で触りながら、そんなことをつぶやくと
「本当…美月は変わってる。」
龍聖はなぜか満足そうにフフッと笑って私の頭をポンポンと叩いた。