不要なモノは愛
勝手なことばかり言わせない。思い通りになんてさせない。

一樹も同じ思いがあったようで、 勝手な言葉を無視して靴を脱いであがった。着ていたャケットを私に託して、シャツの腕を捲る。


「松野さん、忙しいのなら俺も手伝いますよ」


「高宮は料理なんて出来ないだろ…」


「皿並べるとかくらい出来ます」


腕捲りしてやる気満々のわりには、一樹に出来ることは幼児並みだったりする。リンゴだって、剥けるかどうか怪しいくらい料理をやったことはないのだ。

家ではおばさんが作ってくれるし、うちに来たら私が作るから作れなくても不自由することなく、今まで生きてきている。

だけど、出来ないより出来たほうがいいのかな?

一樹は食器をテーブルに並べているが、松野兄は器用に野菜を切っている。ものすごく慣れた手つきだ。

そういえば、弟の聖斗くんはシェフだ。子供の頃から二人で料理をしていたのかも。


「いつも作っているのですか?」


「一人暮らしが長いからね」
< 100 / 158 >

この作品をシェア

pagetop