不要なモノは愛
私の晩ごはんを分けろと?

買ってきてくれたのは、一樹だけど、今は私のもの…。でも、心の広い私は、ちゃんと分けますよ。

切り分けようとキッチンへ持っていく。


「あ、晩ごはんを食べてからでいいよ」


「え?一樹、おばさんが用意してあるんじゃないの?」


「それが親父と一緒に歌舞伎を観に行っていて、誰も家にいないんだよ。だから、食わせて。ふわぁー…出来たら起こして。よろしく」


盛大な欠伸をした一樹はさっき私が大の字になっていた場所に寝転んだ。

我が家は古い家だ、私が母とこの家に引っ越してきたのは、小学校入学前で、元々は伯母夫婦が住んでいた。でも、二人がなくなって、母が譲り受けることになり、私の入学を機に住むことになった。

伯母夫婦が二人だけで住んでいた家だから、それほど大きくはなく、平屋である。部屋数も少ない。このリビングというよりも居間と呼ぶほうが相応しい和室の他に、二部屋あるのみだ。
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