不要なモノは愛
一樹は、自分の家に和室がないから、我が家の居間が気に入っていて、小さい頃からよく寝転がっていた。

二人で昼寝をしたこともある。

仕方ないな。疲れているみたいだし。

早々と寝息が聞こえてきたから、押し入れから毛布を出してかけた。


「お疲れさま」


ご飯もまだ炊いていなかったから、そこから始める。

今夜のメニューは、ラーメンでもなく、ロールケーキでもなくなった。

でも、一緒に食べてくれる人がいるのは有り難い。母が亡くなってから、一樹も秋絵同様に何かと気にかけてくれている。

親もいなければ、兄弟も親戚もいない。天涯孤独という身になった私は、一樹と秋絵に救われた。

それでも四六時中過ごすのではないから、寂しくなった。やっぱり友だちは友だちであって、家族ではない。


1時間後に出来上がった料理を並べて、一樹を起こす。


「一樹、ご飯だよ。起きて!」


1時間寝たくらいで疲れは取れないだろうから、起こすのはかわいそうになる。でも、このまま寝ていられても困る。
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