不要なモノは愛
呆けた顔をする私は、松野兄が言うように間抜け顔だったと思う。けれど、その顔をかわいいと言うなんて、それもイルカと同レベルでと言われて、顔が熱くなった。

何で私ったら、顔を赤くしているの!恥ずかしい…。こんなのはからかわれているだけだと思うのに。


「何だよ、その赤い顔。可愛すぎるんだけど」


すぐそこにある口が耳元に来て、さらに恥ずかしくなる言葉を囁く。

顔の熱は当分おさまらなかった。

私の思考はどうなっているのだろう。自分を見失っている気分だったけど、繋がれた手さえも離すことが出来なく、リードされるままで歩いていた。

まるで魔法でもかけられたみたいに、されるがままだ。

館内を回る間、ずっと手を繋いでいた。肩を抱かれるよりはまだ良かったけど、距離が近いことに変わりはない。周りを見ると、家族連れも多いけど、カップルも多い。私たちも他の人から見たら、カップルに見えるのかな。

そういえば、これはデートだった。確かに手を繋いで歩くのは、デートみたいだ。心臓はドキドキして、歩く足取りはフワフワする。
< 110 / 158 >

この作品をシェア

pagetop