不要なモノは愛
「小夏。ショー、終わったよ。もう2時近くなるから。ご飯を食べよう。お腹空いただろ?」

ショーを楽しみながら見ていても、心の奥で何かが引っ掛かっていて、終わったことに声を掛けられるまで気付かなかった。

外に出て、レストランが並ぶ通りを歩く。松野兄は私の手を引いて、迷うことなくイタリアンレストランに入る。海の上に立つレストランで、案内された窓際の席から眺める穏やかな海はきれいだった。

サラダとピザ、パスタをシェアして食べた。


「小夏は水族館、好き?」


「はい。ここは初めて来たのだけど、イルカとかアザラシとか好きで…」


「そう。連れてきて良かった。楽しそうに見ていたのも嬉しかったよ」


連れてきてもらって、良かったのは私のほうだ。だけど、連れてきて良かったと言われてしまい、素直にお礼が言えなかった。

帰る時に言えばいいかな。全部回ったし、ご飯も食べたし、もう帰るのかな?
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