不要なモノは愛
「少し、遊園地のほうにも行こう」


「え、何か乗るんですか?」


絶叫系は苦手だから、それ以外にして欲しいと思っていた。だけど、手を引かれて着いたところにあったのは、白いレールが印象的なジェットコースター。

海にまで伸びているレールを見て、血が引いていく思いがした。

無理。絶対に無理! あれに乗ったら、倒れてしまう…。


「小夏?」


乗ることを拒否した私の体は、松野兄に引っ張られても動かない。颯爽と動くコースターを見るだけで怖くて足が震えそうだ。


「あれには乗りません」


「え?まさか、苦手なの?」


苦手だということが意外だったのか、松野兄は目を丸くしていた。私は、こくこくと頷く。多分私の顔は青くなっている。乗ったら絶対に心臓が壊れる。でも、無理矢理連れて行かれるかも…どうしよう。

「キャー」と叫ぶ声が聞こえる。私は、きっと叫ぶことも出来ない。気を失うかもしれない。
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