不要なモノは愛
「じゃあ、あれはやめよう」


「え?いいの?」


「うん。小夏が楽しめないのに乗らないよ」


松野兄は他に乗れるものがないかと、周りを見渡す。近くに乗り物はないけれど、見上げた先にタワーが見えた。


「高いところは大丈夫か?」


「はい。高いのは平気です」


「あれ、乗ろう」


いつも自分のことしか考えないで行動する人だから、私の気持ちを考えないで、ジェットコースターに乗せるかと思った。

苦手なものを理解してくれて、楽しめるものに変えてくれるとは思わなかった。優しいところもあるんだ…。

タワーに着くと、中にある椅子に座るように促された。椅子は外向きに並んでいて、景色が見えるようになっている。ゆっくりと回転しながら上昇していく。

真下を見ると、歩いている人が小さくなっていく。遠くを見ると、見えるものが増えていく。


「すごい!遠くのビルまでもが見える…」


「あー、あの辺に夜は行くから」


「え?夜に?」


「うん。イルミネーションがきれいらしいよ」
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