不要なモノは愛
ここを降りたら、今度こそ帰るものだと思っていた。デートの時間を何時までとは言われてなかったけど、デートというモノは夜まで続くものなのか…。

イルミネーション…そういえば、来月にはクリスマスだ。水族館の入り口にも早々とクリスマスツリーが飾られていたし、レストランにもクリスマスの飾りがあった。


「小夏と一緒にクリスマスを過ごせたらいいな」


「一緒に?」


「そう。考えといて」


考えるも何も…デートは今日だけだし、クリスマスは毎年、一樹の家でクリスマス会をしていたから、今年もそこで過ごす予定だった。まだ決定はしていないけど。

タワーを降りて、駐車場に戻る。


「小夏?どうした?乗らないのか?」


ドアを開けたままで、止まってしまっていた。松野兄が心配そうに運転席から身を乗り出している。

「何でもない」と慌てて、助手席に座る。何を考えていたのだろう。あり得ない…。

一瞬とはいえ、松野兄と楽しそうにケーキを作っている図を思い浮かべるなんて、どうかしている。
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