不要なモノは愛
何も考えていないなんてことは、ない。


「高宮がそうやって甘やかしているから、気付くものにも気付かないんじゃないのか?」


「気付くものって何ですか?何のことでしょうか?」


いちいち棘のある言い方をする人だけど、言われている意味が分からなかった。

私は、小悪魔でも天然でもないつもりだし、一樹をもてあそんでなんかいない。初対面の人に何でそこまで言われるなくてはいけないの…初めてのことで、苛立ってくる。

素敵な雰囲気のあるお店に浮き足立っていた心が、ささくれてきた。

きっとこの人は、冷たい人…最初に受けた印象は間違いではないだろう。爽やかな声に騙されて、一緒に来てしまったことを後悔する。

ものすごく意地悪な人ではないかと思う。


「松野さん、小夏をいじめないでくださいよ」


「またお前がそうやって甘やかすから、付け上がるんじゃないのか?」


今度は付け上がる…この人、嫌いだ。こんな人を1度でもかっこいいと思ってしまったことを撤回したい。
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