不要なモノは愛
勝手なことをする松野兄にムカついた。人に平手打ちをするのは初めてだけど、怒りを含めた感情を抑えることが出来なかった。

ぶったことを悪いなんて思わない。悪いのは、あっちのほうだ。勝手なことを言って、勝手なことばかりして。大体において、私のファーストキスを勝手に奪った。

後生大事に取っておいたつもりではないけど、強引さに腹が立つ。いつまでも目の前にいることに腹が立つ。

「いてーな」と頬を押える松野兄を睨んだ。


「帰ってよ。もうあなたとは二度と会いたくないです」


離れない男に嫌気がさし、私から動く。背を向けて、ドアの前に立ち、カバンから取り出した鍵を鍵穴に向けた。


「待てよ。聖斗はやめておけよ」


「関係ないでしょ!」


「関係あるよ。聖斗は俺の弟だから、小夏との子供になったら、俺にも繋がりが出来るだろ」


松野兄とも繋がる…そうだ…聖斗くんとの子供だったら、松野兄の甥か姪になる。家系図のようなものを想像したけど、すぐに打ち消す。
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