欲しがりなくちびる
「浩輔。あんた仮にも私の弟だよね? もっと何か良い案考えてくれたっていいでしょ」
いい加減、煩わしいとばかりに浩輔はぎろりと上目遣いで朔を見ると、今度は小さく溜息を吐く。
「考えなくたって、答えは二つに一つだろ。目瞑ってこのまま籍入れるか、別れるか」
敢えて聞くまでもなくその二者択一しか用意されていないというのに、然るべき提案に返す言葉も見つからず、朔は浩輔へと身を乗り出していた姿勢を正すと同じ様に小さな溜息を吐いていた。
どうしよう。これからどうしたらいいのだろう。そう思いながらぼんやりと目の前の室内を見つめていると、ふとあることに気が付く。
「ねぇ、浩輔って今彼女いるの?」
「は? なんだよ、急に」
「いいから! いるの、いないの?」
「……いねーよ。悪かったな」
あまり表情を表には出さない浩輔が、一瞬むっと不快感を露わにしたのを見て、それと同時にとても良いアイデアが朔の脳裏に浮かぶ。
「だよねぇ」
「だから、なんなんだよ?」
思わずにやりと口元を緩めれば、浩輔は訝しげに眉を顰めた。
いい加減、煩わしいとばかりに浩輔はぎろりと上目遣いで朔を見ると、今度は小さく溜息を吐く。
「考えなくたって、答えは二つに一つだろ。目瞑ってこのまま籍入れるか、別れるか」
敢えて聞くまでもなくその二者択一しか用意されていないというのに、然るべき提案に返す言葉も見つからず、朔は浩輔へと身を乗り出していた姿勢を正すと同じ様に小さな溜息を吐いていた。
どうしよう。これからどうしたらいいのだろう。そう思いながらぼんやりと目の前の室内を見つめていると、ふとあることに気が付く。
「ねぇ、浩輔って今彼女いるの?」
「は? なんだよ、急に」
「いいから! いるの、いないの?」
「……いねーよ。悪かったな」
あまり表情を表には出さない浩輔が、一瞬むっと不快感を露わにしたのを見て、それと同時にとても良いアイデアが朔の脳裏に浮かぶ。
「だよねぇ」
「だから、なんなんだよ?」
思わずにやりと口元を緩めれば、浩輔は訝しげに眉を顰めた。