欲しがりなくちびる
「うん。ケーキも旨いな」
浩輔は、まだ半分ほど残っているケーキを美味しそうに頬張っている。最近の男子はスイーツ好きも多いと言うが、浩輔のように酒飲みで甘党の男は珍しい部類に入るのだろうかと思いつつ繁々と見つめる。
頬の厚みはすっかり落ちてもう少年の頃の面影は残ってないけれど、その変わらない雰囲気だけは今でも浩輔のものだ。ときに人を威嚇して張り詰める空気も、ふいに心を許したかのように零れる優しさも、いつもは一定して穏やかな無表情も、それらが作り出す浩輔の何もかもが朔の心を揺さぶって釘付けにする。いつからなんて明確な時期はなくて、どこが好きかなんて曖昧すぎて答えられない。それでも、もうずっと前から大切な人。
「ん?」
朔の視線に気付いた浩輔がふいに振り返る。
「浩輔、唇の端に生クリーム付いてるよ。子供みたい」
朔はくすりと笑いながら、唇をぬぐおうと手を伸ばした彼の手を遮って、代わりに自分の人差し指の先でクリームを掬う。
すると今度は、浩輔が彼女の手首を掴まえて、クリームが付いた指先をぺろりと舐める。
そのままにもつれるようにして重なった二人は、ケーキよりももっと甘い、お互いの異なる秘部へと口づけする。
これでいい。
身体さえ重ねていれば、きっと二人の間に言葉はいらない。
浩輔は、まだ半分ほど残っているケーキを美味しそうに頬張っている。最近の男子はスイーツ好きも多いと言うが、浩輔のように酒飲みで甘党の男は珍しい部類に入るのだろうかと思いつつ繁々と見つめる。
頬の厚みはすっかり落ちてもう少年の頃の面影は残ってないけれど、その変わらない雰囲気だけは今でも浩輔のものだ。ときに人を威嚇して張り詰める空気も、ふいに心を許したかのように零れる優しさも、いつもは一定して穏やかな無表情も、それらが作り出す浩輔の何もかもが朔の心を揺さぶって釘付けにする。いつからなんて明確な時期はなくて、どこが好きかなんて曖昧すぎて答えられない。それでも、もうずっと前から大切な人。
「ん?」
朔の視線に気付いた浩輔がふいに振り返る。
「浩輔、唇の端に生クリーム付いてるよ。子供みたい」
朔はくすりと笑いながら、唇をぬぐおうと手を伸ばした彼の手を遮って、代わりに自分の人差し指の先でクリームを掬う。
すると今度は、浩輔が彼女の手首を掴まえて、クリームが付いた指先をぺろりと舐める。
そのままにもつれるようにして重なった二人は、ケーキよりももっと甘い、お互いの異なる秘部へと口づけする。
これでいい。
身体さえ重ねていれば、きっと二人の間に言葉はいらない。