欲しがりなくちびる
「どうしたの浩輔……? なんか、怖いよ」

浩輔は、両腕で作った檻のなかに朔を閉じ込める。今夜の彼は、一段と肌をびりびり痺れさせるほどの威圧的な空気を纏っている。

自分の行動が、何か彼のスイッチを入れてしまったのだろうか。朔には、いつものことながら浩輔の考えていることが理解できない。だからこそ、引き寄せられるように離れられないのだろうか。

お互いの鼻先が今にも触れてしまいそうなほど間合いを詰めた浩輔は、まるで氷のように冷え切ったその顔をふいに儚げに歪める。

その表情に思いがけず見入っている最中、彼は途端にぎらりと瞳を奥を輝かせたかと思うと、あっという間に朔の両手首を一纏めにして頭上に括り付ける。

「怖いよ、浩輔」

朔が懇願するように見上げると、まるで口封じのように強引に唇を塞がれる。

浩輔は朔を拘束している手と反対の方の手でネグリジェの裾をたくし上げながら太腿に忍び込ませると、厭らしい手つきで内腿を撫でていく。そして、手慣れたように朔の下着を剥ぎ取ると片脚を抱き抱え、既に反り返っている激昂の切っ先を彼女の秘部に宛う。

「嘘でしょ、浩輔! 待って、私まだ、」

朔の懸念を他所に、くちゅりと卑猥な音を立てて浩輔を受け入れたそこはひと思いに最奥まで貫かれて、彼女は何の前振れもなく絶頂を迎える。

戸惑いながら荒い呼吸を繰り返す朔に構うことなく、浩輔は腰の律動を続けている。淫猥に濡れた彼の瞳はきらりと光り時折切なそうに眉根に皺を寄せる。

一度上り詰めた朔の身体は快楽に従順になり、先程からいくつもの小さな頂点を迎えていて、蠢く媚肉は浩輔を逃がさないとばかりに戦慄いては律動の激しさに合わせて太腿を愛液で濡らしていく。

「浩輔……っ!」

今にも襲い掛かろうとしている絶頂感から思わず彼の腕に縋れば、浩輔は妄りがわしく目を眇めて薄く開いた朔の唇の隙間から舌を捩じ込むと一気に深く絡めてくる。それと同時に彼の劣情はさらにその硬度と嵩を増して暴れ回り、背中を弓形に撓らせて絶頂を迎えた朔の太腿にはそれから数瞬後、浩輔の熱い迸りが吐き出された。

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