欲しがりなくちびる
絶頂のなかを彷徨う朔を抱き上げた浩輔は、ベッドに場所を移してもなお彼女の身体を好きにした。
浩輔に奪われるみたいに抱かれるのは嫌いじゃない。そうされると朔の一番深い部分は切なく疼いて、彼をもっともっとと強く求めてしまう。
両親に隠れて身体を重ねていた頃から変わらないそれを浩輔は気付いているのか、わざと焦らすように緩慢に腰を動かしては、もどかしさからいきたがって痙攣を繰り返す朔を満足そうに見つめて嫣然と微笑む。
浩輔は、何度もそれを繰り返されて快楽に溺れ切った朔を唆すように激しく掻き抱いて、彼女が迎える絶頂をより大きなものへと導く。
普段の生活で浩輔に翻弄されるのは好きではなかったが、ベッドの上でなら許せてしまう。だからと言って、このまま流されてはいけないのだと分かっている。
「浩輔、どうし……て……?」
朔は、快感に揺さぶられて溶け出す脳を叱咤して獰猛に光る浩輔の瞳を見つめると、彼は切なげにぎゅっと眉根を寄せる。
「こんなに近くにいるのに、俺には時々おまえが分からなくなる」
浩輔の振り絞るような声は確かに耳に入ってくるのに、今の朔には言葉の意味を解釈することは不可能で、与えられる悦楽だけを全身で甘受している。
「どうして朔には俺が分からない?」
逞しい腕に揺さぶられながら、夢を見ているのだと思った。もしかすると、本当に夢だったのかもしれない。静まり返った部屋に朝の新聞配達のバイク音が聞こえた頃には、浩輔に抱かれ続けている身体も心もとっくに限界を迎えていた。凄まじいまでの快感に朔の視界はとっくに霞んで、彼の顔さえはっきりとは見えなかったのだから。
「朔、愛してる」
心地良い甘いテノールの声で浩輔にそう囁かれたのは、きっと夢だったのだと思う。自分が主人公の幸せな夢を延々と見させられていた。
朔が不意に目を覚ますとカーテン越しに日差しが差し込んでいて、もう昼時なのだと分かった。
隣に浩輔の姿はなかったけれど、昨晩あんなに愛し合ってぐちゃぐちゃになったはずのシーツはさらさらと気持ち良くて、汗と体液が纏わり付いているはずの身体もさっぱりしている。
おまけに、裸のまま眠ったはずの朔は、浩輔のシャツを身に着けている。
浩輔に奪われるみたいに抱かれるのは嫌いじゃない。そうされると朔の一番深い部分は切なく疼いて、彼をもっともっとと強く求めてしまう。
両親に隠れて身体を重ねていた頃から変わらないそれを浩輔は気付いているのか、わざと焦らすように緩慢に腰を動かしては、もどかしさからいきたがって痙攣を繰り返す朔を満足そうに見つめて嫣然と微笑む。
浩輔は、何度もそれを繰り返されて快楽に溺れ切った朔を唆すように激しく掻き抱いて、彼女が迎える絶頂をより大きなものへと導く。
普段の生活で浩輔に翻弄されるのは好きではなかったが、ベッドの上でなら許せてしまう。だからと言って、このまま流されてはいけないのだと分かっている。
「浩輔、どうし……て……?」
朔は、快感に揺さぶられて溶け出す脳を叱咤して獰猛に光る浩輔の瞳を見つめると、彼は切なげにぎゅっと眉根を寄せる。
「こんなに近くにいるのに、俺には時々おまえが分からなくなる」
浩輔の振り絞るような声は確かに耳に入ってくるのに、今の朔には言葉の意味を解釈することは不可能で、与えられる悦楽だけを全身で甘受している。
「どうして朔には俺が分からない?」
逞しい腕に揺さぶられながら、夢を見ているのだと思った。もしかすると、本当に夢だったのかもしれない。静まり返った部屋に朝の新聞配達のバイク音が聞こえた頃には、浩輔に抱かれ続けている身体も心もとっくに限界を迎えていた。凄まじいまでの快感に朔の視界はとっくに霞んで、彼の顔さえはっきりとは見えなかったのだから。
「朔、愛してる」
心地良い甘いテノールの声で浩輔にそう囁かれたのは、きっと夢だったのだと思う。自分が主人公の幸せな夢を延々と見させられていた。
朔が不意に目を覚ますとカーテン越しに日差しが差し込んでいて、もう昼時なのだと分かった。
隣に浩輔の姿はなかったけれど、昨晩あんなに愛し合ってぐちゃぐちゃになったはずのシーツはさらさらと気持ち良くて、汗と体液が纏わり付いているはずの身体もさっぱりしている。
おまけに、裸のまま眠ったはずの朔は、浩輔のシャツを身に着けている。