欲しがりなくちびる
あの腕に最後に抱かれたのは、もう10年近く前のことだ。
高校生となり、大人びた表情をするようになっていた浩輔は、ベッドの上ではさらに男の顔をして見せた。彼のセックスは全てを奪い尽くすように激しくて、けれどもちゃんと優しさもあって、朔はそうされるのが堪らなく好きだった。
大切にされているような気がして、浩輔と肌を重ねているとそれだけで幸せだった。
その頃の朔は、公認の彼女がいる高校の先輩のことを諦めることができず、自分からセカンドになることを望み、その関係に甘んじていた。辛くはなかった。
浩輔とセックスするきっかけになったのは、親同士の再婚で一緒に暮らすようになって2ヶ月が過ぎたある日のことだった。先輩に会えない日が続いて、泣きながら自分の身体を慰めている姿を浩輔に見つかったのだ。
寝る支度を済ませてベッドに潜り込む頃にはもう目頭が熱くなっていて、自分でも訳が分からないうちに涙が溢れ出していた。先輩のことをこれっぽっちも考えていない時でさえ、思春期特融の感情の移ろいやすさが恐らくそうさせていた。
どうしてあれほどまでに好きになれたのかは今では思い出せないけれど、あの当時、間違いなく、朔が形成する小さな世界の中心に先輩はいた。勿論、先輩の彼女に対する罪悪感は常に抱えていた。けれども、彼を失うことは自分の世界を失うという事と同義だと思っていた当時の朔には、別れるという選択肢は考えられなかった。
高校生となり、大人びた表情をするようになっていた浩輔は、ベッドの上ではさらに男の顔をして見せた。彼のセックスは全てを奪い尽くすように激しくて、けれどもちゃんと優しさもあって、朔はそうされるのが堪らなく好きだった。
大切にされているような気がして、浩輔と肌を重ねているとそれだけで幸せだった。
その頃の朔は、公認の彼女がいる高校の先輩のことを諦めることができず、自分からセカンドになることを望み、その関係に甘んじていた。辛くはなかった。
浩輔とセックスするきっかけになったのは、親同士の再婚で一緒に暮らすようになって2ヶ月が過ぎたある日のことだった。先輩に会えない日が続いて、泣きながら自分の身体を慰めている姿を浩輔に見つかったのだ。
寝る支度を済ませてベッドに潜り込む頃にはもう目頭が熱くなっていて、自分でも訳が分からないうちに涙が溢れ出していた。先輩のことをこれっぽっちも考えていない時でさえ、思春期特融の感情の移ろいやすさが恐らくそうさせていた。
どうしてあれほどまでに好きになれたのかは今では思い出せないけれど、あの当時、間違いなく、朔が形成する小さな世界の中心に先輩はいた。勿論、先輩の彼女に対する罪悪感は常に抱えていた。けれども、彼を失うことは自分の世界を失うという事と同義だと思っていた当時の朔には、別れるという選択肢は考えられなかった。