欲しがりなくちびる
期末試験が迫っていたある夜遅く、朔に辞書を借りにきた浩輔はあられもない彼女の姿を見つけても、慌ててドアを閉めるようなことはなかった。代わりに、後手でしっかりと静かに鍵をかけた。鍵は血の繋がらない年頃の子供達のために両親が取り付けたものだったけれど、二人ともそれを一度も使ったことはなかった。
暗がりの中で光る浩輔の切れ長の瞳は月の雫のように潤っていて、その奥にはどこか物悲しさのようなものを秘めていた。その瞳で朔を見つめると、髪を撫で、涙を貯えた瞼に、頬に、唇に、優しいキスを落していく。
懐かしい浩輔の唇は朔を宥めるのに十分なほど温かくて、解けていく心に合わせて熱い涙が再び頬を伝わっていった。
大好きだった唇の形も柔らかさも3年前とは変わっていなかったことが嬉しかった。
経年を実感したのは、唇を割って進めてきた浩輔の舌使いと慣れた愛撫。
以前の浩輔の舌は、まるで何か別の生き物のような滑らかな動きはしなかったし、キスと同時に色付く胸の先端をリズムよく弾くような器用なことはしなかった。
けれども、変わったのは朔も同じだった。
もう浩輔だけしか知らない身体ではなかったし、関係を持った異性の数は多いほうだった。
その日から二人は、両親に隠れて再び抱き合うようになっていった。
暗がりの中で光る浩輔の切れ長の瞳は月の雫のように潤っていて、その奥にはどこか物悲しさのようなものを秘めていた。その瞳で朔を見つめると、髪を撫で、涙を貯えた瞼に、頬に、唇に、優しいキスを落していく。
懐かしい浩輔の唇は朔を宥めるのに十分なほど温かくて、解けていく心に合わせて熱い涙が再び頬を伝わっていった。
大好きだった唇の形も柔らかさも3年前とは変わっていなかったことが嬉しかった。
経年を実感したのは、唇を割って進めてきた浩輔の舌使いと慣れた愛撫。
以前の浩輔の舌は、まるで何か別の生き物のような滑らかな動きはしなかったし、キスと同時に色付く胸の先端をリズムよく弾くような器用なことはしなかった。
けれども、変わったのは朔も同じだった。
もう浩輔だけしか知らない身体ではなかったし、関係を持った異性の数は多いほうだった。
その日から二人は、両親に隠れて再び抱き合うようになっていった。