幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
「こんなとこで、なにしてんの?」
私服姿の畠山に首をかしげる。
「あの、如月先輩に借りてたジャージを返しに来たんですけど……
でも、あれ?如月先輩の家って隣じゃ?
ここ、吉川って表札が……」
ヤベ……
「ちょっとりりちゃんちに用があってさ」
「そうなんですか?」
りりちゃんの家のカギを締めている俺を畠山がいぶかしげに見つめている。
「それより、ジャージなんてわざわざ返しに来なくてもいいのに。
部活で渡してくれればいいだろ?」
無愛想にそう言うと、畠山は肩を落とした。
「ま、いいや。とりあえずバス停まで送るよ」