【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
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朝食を終え、洗い物も全て終わってしまった。


とりあえずと自室に戻り縁側に座る。

庭には誰もおらず、ただ静かな雪景色が広がっている。

小鳥の声がする。

光が雪の白に反射して眩しい。

露李は一人、ぼうっとその風景を眺めた。

使命。運命。

それに自分が縛られているのは苦ではなかった。

否、以前であれば苦しく感じたかもしれない。

露李にとって、彼女に一番近い守護者たちはかけがえのない存在だった。

家族、だった。

神影一族とは家族らしいことをした覚えはない。


しかし、今の立場になって初めて分かったことが沢山ある。

日常の尊さ、失う辛さ。

──一体、いくつ犠牲にしてきたんだろう。

だから、強くなりたいと思った。

か弱い姫だけの存在でいたくなかった。

それなのに──。


「露李。何してるんだ、そんなとこで」


「疾風」


疾風が通りかかり、心配そうに足を止める。

ぶっきらぼうな疾風がそんな顔をするのが珍しくて、くすりと笑う。


「特に理由は無いよ。綺麗だなって」


「そうか?雪なんて毎年降ってるだろ」


夢がないなぁ、と苦笑。


「穢れを知らないってこういうことかなって思うのよ」


「そうだな。よくお前、グチャグチャの料理作ってるもんな。浄化もされたくなるよな」


「何それ腹立つ!」


ムッとして返すと、疾風は爽やかに笑った。


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