【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
何も言わず、有明に向かっていく。
浅葱の光が彼女を捕らえる檻に。
赤は彼女を檻の外から激しく撃つ。
紫の光は翡翠の盾を強固なものに、そして有明を包む網に。
萌黄はそれらを強化し、有明に枷を。
光が辺りに満ちる。
そして。
「風雅、お前…姿が」
「おわ、何だこれ!」
結の髪が銀色に染まり、翡翠の目は変わらないが手と首に目と同じ翡翠色の紋が刻まれている。
「何で…みん、な」
急速に身体を締め付けていた鎖が緩んでいく。
そして金属さながらの音でそれが外れた。
光が止み、そこから歩いてくる四人──。
露李、結、水無月が息を飲んだ。
紛れもなく、それは。
彼らがすぐそばで立ち止まる。
「疾風、」
「何だ」
「理津…?」
「おう」
「お前っ、文月か…!?」
「そうだけど?結」
「じゃ、じゃあ、静だよな…?」
「そうですよ、結先輩」
ああ、どうしようもなく。
こんなに、感情が溢れて。
「もっ…何で」
言葉が出てこないよ。
「殺しちゃった、かと…っ」
「俺たちはお前が死ぬまで死ねない。忘れたか」
「だってっ…」
疾風が優しく頭に手を置き、笑う。
理津がニヤリと笑い、露李の涙を人差し指ですくった。
結が呆けたように自分達を見比べているのを、文月と静が笑って見返している。
水無月が時折、文月と目配せを交わした。