0の可能性
「仕事中の君はそんな風には見えないけど?」
いつの間にか隣に座っていた諒陽が、そう言ってきた。
ゆかりは諒陽に驚き、それを誤魔化すように、残りのワインをグッと喉に流し込んだ。
さすがに仕事中はだらだらはしないでしょ。
「九条課長は考える人です」
不思議そうに私の顔を見る九条さんに、変なことを言ってしまったと後悔をし、
いつもよりやわらかい雰囲気が漂う彼に見られているのが恥ずかしくなった。
「……“考える人”って?何」
「さ、帰ろー」
諒陽の疑問に、ゆるゆると意識を手放したゆかりが答えれるわけもなく、小野先輩もそそくさと帰る準備をした。