恋と部活の両立法


大会3日前の部活が終わった。

明日が先輩と練習できる最後の日だ。



「お疲れ様ー。」

「お疲れ様でーす。」







「いよいよ明後日ですね。」


「そうだねー。
って優くん。それって1日前に言う言葉じゃない?
なんか緊張してきちゃったよ。」


「あ、すいません。」



気を遣ってくれたのかいつのにか俺と先輩の周りには誰もいなくなっていた。


ったく余計なお節介だっつーの。


立っていてもしかたないので、
俺は先輩と2人で歩き出す。









「私ね、将来陸上で賞を取ったお金でさ、ボランティア活動したいと思ってるの。」


「急にどうしたんですか?」


「優くんとせっかく話せる機会だしさ。
たまには聞いてよー。私の話。」



毎日聞いてますよ。


耳に先輩の声が残るくらい。


聞き飽きるくらい。


なんていっても無駄だと思ったし、

先輩の話、興味があったから聞くことにした。



「なんでボランティアをしたいと思ったんですか?」



俺ならたぶん絶対しない。


賞金でパーっと旅行とか欲しいもの買ったりするだろうな。




「みんな私を必要としてほしいの。
それに子供とか大好きだし、人とお話するのも好きだし、歌うのも踊るのも動物と触れ合うのもぜーんぶ好き。

あ、もちろん陸上も好きだよ。
優くんも。」



「…な。」


急な不意打ちに顔が熱くなるのが分かる。

もちろん先輩にそんな気はないことは知ってるけど、

俺は恋愛的な意味で先輩のこと…



好きだし。
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