恋と部活の両立法
「お疲れー!!」
『お疲れさまです!』
結局何も分からないまま練習が終わってしまった。
でも、隼人さんは今日はいつも以上にハードルを熱心に飛んでいた気がする。
まるで何かをハードルにぶつけるように…
私の考えすぎかな?
なんてことを考えていると
「おい!」
後ろから走ってきた優にドンッと肩を押された。
『ちょっと…!!痛いんだけど…。』
一応女の子なんだからもっと優しく叩いてよ。一応。
いつか肩が外れる。
「お前、今から柊さんと勉強するのか?」
怒っている私など御構い無しに優は私の前に回り込み肩を掴むと激しく揺する。
だから、さっきから何なの?優。
それに、私が誰と勉強しようが優には関係ないじゃん。
でもこのままじゃ離してくれそうにないな…
「柊さんは用事があるから、隼人さんと勉強するの。
隼人さん、待たすと悪いから私、もう行くね。練習お疲れさま。」
私は優の手をゆっくりと肩から退ける。
その手はさっきの勢いと違ってひどく力が抜けているような気がしたけど急いでいた私は優に背を向けて歩き出した。