シャッターの向こう側。
「何の仕事?」

「有野さんと企画室の」

「ああ。ウェディングフェスでしたか?」

 そんな事を佐和子が言ってたよね。

「期限ギリギリでまわされた」

 企画室が絡めば、いつもギリギリじゃないですか。

「宇津木さん、信頼されてるから」


 言うと、睨まれた。


「俺はこういうのは苦手だ」

「こういうの?」

「だから、甘い雰囲気とか、そういうの」


 ポツリと呟いた宇津木さんの言葉。


 思わず吹き出したら、もっと睨まれた。



 甘い雰囲気は、宇津木さんに似合わないかもしれない……


 つくづくそう思った。










fin.
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