シャッターの向こう側。

部署……もしくはお仕事

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「おはよ~ございま~す」

 朝も元気にご挨拶!

 何度も言うようだけど、社会人の必須でしょう!

 だけど……

「……うるさい」

 私……こういう大人になっちゃいけないと思うんだ。

 隣の席から睨み付けてくる宇津木さんを眺め、バックをデスクの下にしまってから眉をしかめた。

「なんですか。徹夜ですか」

「当たり前だ。お前の声は頭に響く」

 当たり前って言われても、全然知らないって言うの。

「……ついでに頭痛ですか。そりゃ~大変ですね」

 淡々と答えて座ると、何故か恨みがましい視線に気がついた。

「……私、何かしましたか」

 横目で見ると、宇津木さんは頬杖をついて頷く。

「何もしてないが、存在自体が妙だ」


 そりゃどういう意味だ!!


「……坂口と付き合い始めたんだって?」

 さすが仲がよろしいことで。

 もう筒抜けですか。

「宇津木さんには、関係ないことですよ」

 パソコンを立ち上げてメールを見始めた視界の隅に、宇津木さんが肩を竦める姿が見える。

「泣かすなよ?」

 ゴツンと頭をデスクにぶつけた。

「どうして私が坂口さんを泣かすんですかっ!! 普通は女が男に泣かされるものでしょうが!!」

 おでこを押さえつつ顔を上げ、宇津木さんを睨むと、何故か彼はしばらく天井を眺め、腕を組みつつ悩んでいる。


 ……悩む様な話はしてないんだけど。


「何となくそう思った。詳しくは俺にも解らん」

 徹夜で頭がイカレタか……

「まぁ、確かに俺には関係ないんだが」

 呟きつつ、宇津木さんは自分のパソコンに向き直った。


 ……坂口さんと付き合い始めて実はまだ一週間。

 お互いに忙しい時もあるし、時間がある時は食事しに行ったりしてる。


 まぁ……普通はそんな感じになるのか。


 学生時代みたいにベッタリイチャイチャとはならないわな。

「宇津木さんは、冴子さんとは上手くいってらっしゃいますか?」

 何気なく聞くと、宇津木さんはモニターを見つめたまま眉をしかめた。
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