くるまのなかで




三連休の一日目は、家事に費やした。

いつもより早起きをして洗濯機を回しながら掃除機をかける。

午前中に干した衣類は午前中のうちに乾いてしまったので、シーツや枕カバーも同じ日のうちに洗濯。

その後、生活用品と食材を買い足し、明日からのおかずを多めに作り置きした。

おかげで母が生前使っていたファミリーサイズの冷蔵庫が、容器でいっぱいだ。

我ながら、色気のない休日である。

二日目の今日は、母の墓参りに行くと決めていた。

昨日よりもゆっくり起き、車に乗って祖父母と母の眠る霊園へ向かう。

霊園は隣の市にある。

途中の花屋で花を買った。

有料バイパス道路を使い街まで出て、商業施設などのある通りを抜け、とある住宅地に入る。

そこからはひたすら緩い上り坂になっている。

道に自信のない私は心許ない気持ちで上り続け、人気がなく不気味なトンネルを抜けたところで見覚えのあるパーキングに車を停めた。

それにしても天気がよすぎる。

日射しが強くて、気をつけないと倒れてしまいそう。

私はバッグを肩にかけ、持参したバケツと水、ゴミ袋、雑巾、そしてさっき購入した花を持って車を降りた。

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