イケメン弁護士の求愛宣言!
「はい……」

ピシャリと言われて、小さくなるしかない。

勘の鋭い来島先生に聞くべきじゃなかったし、真斗さんだってきっと教えてくれないはず。

しょんぼりとしながら残りの紅茶を飲み干すと、先生のクックと笑う声が聞こえた。

チラッと視線を上げると、笑いを堪えているみたいだ。

「どうかされましたか?」

きっと私のことを笑っているんだろうくらいには、自分でも分かる。

ちょっとムッとすると、先生は「ごめん、ごめん」と涙を拭った。

「そんなに、なにがおかしいんですか?」

こっちは、真斗さんと美織さんの密会疑惑で凹んでいるというのに。

「ホントごめん。でも、バカにしたとかじゃないんだ。由依子ちゃんって、分かりやすいんだなあと思って」

「それ、真斗さんにも言われた気がします」

そんなに単純かな。

まだ膨れっ面の私に、来島先生は苦笑いをした。

「怒らないでくれよ。そういう由依子ちゃんが好きなんだ。きっと真斗も同じなんだろうけど」
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