イケメン弁護士の求愛宣言!
口角を上げて優しく微笑む先生は、大人っぽく落ち着いた雰囲気を醸し出している。

そんな姿が、いつも私を癒してくれている。

「ありがとうございます。そう言っていただけると、自信がつきます。法学部出身だからってだけで、ここへ転職したんですけど、はっきり言ってほとんど素人なんで」

少し小さくなる私に、来島先生は思い出したかのように大きく頷いた。

「そういや、そうだったよな。メーカーの営業事務をしてたんだっけ? 新卒じゃ法律系の仕事がなくて、でも未練があってここを見つけたっていう」

「そうです! 法律が好きで専攻したから、やっぱりそれを活かしたいなって思ってて……。さすが来島先生。記憶力がスゴイですね」

自然と笑みがこぼれて、先生との会話を楽しむ自分に気づいた。

さりげない気遣いで、空気を和らいでくれる来島先生に、私はいつも感謝の気持ちを持っている。

他の先生はこんなに会話を弾ませてこないから、ここまで楽しく話せるのは耶恵さん以外には、来島先生だけ。

だからこんな何気ない会話も、居心地よく感じていた。

すると、ふいに背後から真斗さんの声が聞こえて背筋が伸びた。

「オレにも、由依子ちゃんのこと教えてよ」
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