恋が都合よく落ちてるわけない
本当のことは?
私宛に書かれた手紙は、間違いなく西川さんからのものだった。

封筒にメモリスティックと手紙

メモリスティックの中身は、
まだ見てない。
対応させる為の部品を買ってくるのを、ずっと忘れていた。
まあ、経理の帳票なんか見てもわかんないし。




千鶴ちゃんへ

最初に謝らなければなりません。

あなたを傷つけたことを。

これを買ったときは、本当にあなたとの将来を夢見ていました。けど、今はそれも叶わなくなりました。

すべて私のせいです。
あなたには、何の落ち度もありません。

行き先のなくなった、品物を何度も捨てようと思いました。けれど、私には、どうしても捨てられず、今調べてるデータと一緒に隠して置きます。

千鶴ちゃん、これを見つけたら、あなたの思う通りに処分してください。

あなたは、私と一緒じゃなくても、幸せになれる人です。必ず幸せになって下さい。

遠くから、ずっと見ています。




私は、ずっと手紙を握りしめていた。
最後まで、誰かのせいで、別れなければいけなかったとか、情況が変われば、またもとにに戻れると淡い期待をしていた。

西川さんだって、ひょっこり陽子さんに愛想をつかせて、戻ってくるかも知れない。

それなのに、何よ!
幸せになって下さいだなんて…

「これじゃあ…
あきらめるしかないじゃん」

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