~Still~
「彼女、アメリカで女優をしてるんですよ。今は休暇中なんです」

近寄ってきた咲希が笑顔でそう言うと、理恵は、咲希に向き直って即答した。

「存じ上げてます」

……え?

理恵は更に続けた。

「颯太さん……失礼。神谷さんに以前頼まれ事をした際に、伺いましたわ」

……どう言うこと?

エレナの戸惑いを察知し、咲希は微笑みを絶やすことなく理恵を見つめた。

「今エレナが着ているトップスは、イタリア製で、世界に50枚しかないんです。最近有名ブランドから独立した若きデザイナーのものなんです」

「素敵ですね!……ゆっくり商品を見て回りたいところなんですけど、外回りの途中でして……早く社に戻らないと、夜からの打ち合わせに間に合わなくなるので」
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