~Still~
恐い。

裏切られるのは、もう嫌!!

この気持ちを胸に留めておけるほど、私は大人じゃない。

「待ってください、エレナさん」

リビングのドアを開けたところで颯太に腕を掴まれ、エレナは立ち止まった。

持たれた腕が熱く、鼓動が跳ねた。

「こっちを向いてください」

「……」

声が掠れたのは、帰り際に三杯飲んだショットガンのせいか、今から颯太に問わなければならないせいなのか。

「何があったんですか?」

「別になんにもないよ」

声が上ずって眉を寄せると、エレナの眼から涙がこぼれた。
< 135 / 351 >

この作品をシェア

pagetop