~Still~
「今、嬉しかったです」

「え?」

「僕の見た目が好きですか?」

「……」

「僕の中身も好きですか?」

「……うん」

消え入りそうな声でエレナが答えた時、颯太の大きな手がエレナの頬を包んだ。

「あなたを泣かせてしまったのは本意ではありませんが、あなたの気持ちを聞けたのは、凄く嬉しいです。エレナさん、愛してる、心から」

「心から……?」

「六年前、雑居ビルで出会った時、僕はあなたに惚れました。
あんな風に言ってくれたのはあなただけです。
反抗ばかりしていた僕に、親に感謝する気持ちを諭してくれたのも、人はちゃんとしなくちゃならないとハッキリ叱ってくれたのも、あなただけです」
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