~Still~
心の中に陽が射しこみ、固く閉じていた蕾が花開くような感覚に、エレナは力が抜けていくのを感じた。

「私も、颯太くんといたい」

お互いに見つめ合っていたが、先に眼をそらしたのはエレナで、彼女は颯太の首に両腕を絡めて、彼の耳に唇を寄せた。

「颯太くん…抱いて」

「エレナ」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

颯太は穏やかな波のように動いた。

何度も名を呼び合い、互いに愛を告げながら二人は融け合うように抱き合った。

「エレナ、エレナ」

自分の上で息を乱した颯太の体が大きくて熱く、エレナはその存在を頼もしく思いながら彼の瞳を見つめた。

「颯太くん」

筋肉の張った逞しい腕。

「私の事、離さないで」

「離さない、愛してるエレナ」

時間が止まればいいと、互いに強く思った。
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