~Still~
「颯太くん」

「……なんですか?」

僅かに咳払いしてから、颯太は低い声で返事をした。

「颯太くん、運動神経いいんだね!かっこよかった」

「…………」

颯太は前を向いたまま、尚も黙り込んだ。

「……どうしたの?疲れた?」

エレナは助手席から颯太の横顔を見つめたが、颯太は何も言わなかった。

……なんだろう、怒ってるっぽい。

こんな颯太くん、初めて見た。

まだ24歳だというのに、いつも落ち着いていて、余裕があって、歳より大人びて見える。

……なのに今は、ユニフォーム姿でどこか拗ねているみたいで、機嫌が悪い。
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