~Still~
信号が赤に変わり、停車中だというのに、颯太は片手をハンドルにかけたまま、前方を凝視していて、エレナはそんな颯太をジッと見つめた。

「なんで黙ってるの?大丈夫?」

エレナは、運転席に身をのりだし、颯太の額に手を伸ばした。

形のよい額に掌を押し当てたが、熱はなかった。

「……熱はないみたいだけど……気分でも悪いの?」

エレナが呟くようにそう言うと、颯太がエレナの手首を掴んだ。

「……!?」

その指に自分の指を交互に絡め、颯太はしっかりとエレナと手を繋いだ。

前を向いたまま。

何も言わず。
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