~Still~
夢を達成できず、おまけに彼が他の誰かと結婚したら?!

エレナは思わず寒気がして、両腕を交差させて自分自身を抱き締めた。

……怖い。

颯太に会いたい。

エレナは駆け出した。

駅へと続く道を左にそれ、数十メートル先を更に左に曲がる。

マンションが見えてきて、エレナが速度を落とした時、入り口の横の植木の影に人が見えた。

思わず足を止めてその人物に見入る。

「高宮さん?」

エレナはそっと声をかけた。

高宮理恵はフッと視線をエレナに向けると、唇を引き上げて笑った。
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