~Still~
理恵がカップに視線を落としたのを見て、エレナはゆっくりと眼を閉じた。

驚きが隠せなくて悪かったわね!

でも。

確かに女優だから、私。

エレナはゆっくり眼を開けると、真っ直ぐに理恵を見つめて口を開いた。

どす黒い雲を裂くように稲妻が光り、雨が窓ガラスを叩き始めていた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「エレナさん」

午後六時。

颯太はネクタイをゆるめながら、リビングを覗いた。

……部屋か?

足早にエレナの部屋のドアの前に立ち、声をかけた。
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